もしもベンチャー企業に身を置きながら主人公になりきれない人がいたら、早々に転職を考えた方が良いかも知れません。
ベンチャー企業は映画の様なもので、そこに関わる誰もが自分専用のカメラを回しています。
誰かを撮るためにあるのではなくて、会社は会社を、社長は社長を、個々の従業員もまたそれぞれにカメラを持っているようなものです。
カメラは何のためにあるのでしょう。
多くの場合、ベンチャー企業には達成したい大きな目標があります。
もちろん一般的な会社にも目標があるのですが、その両社には大きな違いがあって、一般的な会社では従業員にカメラを渡す代わりに会社が作った台本を渡します。
ある人は主人公で、ある人はヒロイン役、脇役もいれば裏方もいます。
会場でチケットを切るだけの人もいるでしょう。
役割を決めて行動するのだから、意思決定もある程度決まった範囲に限られます。
それが心地いい人は一般的な会社を好むでしょう。
けれどベンチャーを掲げる企業では、会社にとっても働く人にとっても、言われた事を真面目に出来るだけでは不幸になります。
多くの場合、「自分のカメラ、何も撮れてないんだけど!」と不満が募ります。
ここに集まった誰もが、自分のカメラで自分だけが撮る事の出来る何かを探しています。
言い換えれば、休日中も同じです。
もちろん友だちや恋人、家族と一緒に過ごすには違いないけれど、どんな時でも頭の片隅にはいつも自分のカメラが何か被写体を探していると知っています。
誰も見た事がない景色に魅了されたから、彼らは集まり、時にはみんなで、時には自分だけの景色をどんな時も探しているのです。